バス産業
新潟交通株式会社
新潟交通株式会社
高速バス 運転手
コマイさん
高速バスの乗務は全て好きですが、夜行便や長距離便はとくに好きですね。お客さまがぐっすりお休みになられている姿を見ると、私たちへの信頼を感じて励みになります。それと、夜行便で夕闇から朝焼けへと白むなかを走る時、何ともいえない明るい気持ちになるのも好きですね。
日頃からよく利用くださるお客さまのお顔は自然に覚えますし、休憩場所で会話を交わす場合もあります。私のことをお客さまも覚えていてくださるのは、やはり嬉しいですね。最近はコロナ禍の影響で、そういった方々のお顔が見られなくて非常に残念です。
1日5時間ほどかけて新潟と東京を結ぶ長距離の路線では、最近は1~3名くらいしかご乗車されない便もざらにある状態で、乗ったお客さまが逆に気を使って話しかけてくださるなんてこともあるんですよ。なんだか、申し訳なくて。早くこの状況が収まって、またみなさんの笑顔が見られたらいいな、と願っています。
バスに乗務するようになってから、もう28年になりますかね。その間いろんなことがありましたが、とくに印象に残っているのは、やはりふたつの大きな地震でしょうか。
2004年の新潟県中越地震の時、自治体からの要請もあり結構早い段階でバスだけは通行することができたんです。地元ですから、全社で必死に対応しました。ただ、道路に2メートルぐらいの段差ができた箇所があったりしたので、普段では考えられませんが、急ごしらえの工事用架設の坂を作って、その上を乗り越えて人や物資をたくさん運んだとを記憶しています。
それから2011年の東日本大震災の時は、仙台山形線の高速バスを増便しました。大きな被害が出ましたから、鉄道も動かなくて。被災地では、新潟で食料品など生活物資を購入するために、本当にたくさんの方がバス乗り場に詰めかけたんです。そして、被災地に向かう人も。私たちも、車両の手配や乗務員の手配など急いで進め、高速道路も緊急車両の許可を得て運行していました。新幹線もずっと止まっていたんでね。その時は、みなさん、大きな荷物を抱えて乗り込まれていましたよ。
現在、コロナ禍のなかで、いろいろな不安要素も多くありますが、私たちのような運輸業務がないと困る人々も大勢いらっしゃると思います。その方たちのためにも感染対策をしっかりして、一緒に今を乗り越えていければと思います。
会社でも、高速バス・新潟空港リムジンバス、そして新潟市内の路線バスも、すべての座席シート、アームレスト、つり革、天井、窓、乗降口ハンドレール、運転席など車内全体に抗ウイルス・抗菌施工の光触媒コーティングを施して、安心してご利用いただく環境づくりを進めているんですよ。
路線バスといえば、私はコロナ前は高速バスだけの勤務でしたが、今は運休便や減便の影響で市内の路線バスに乗車することもあります。一般道での運転は高速バスとは違った緊張感があり、注意を払って乗務するように心掛けています。
高速バスの勤務ですから、日頃から不規則な勤務で家を空けることも多いので、家族には「いつも不規則な生活パターンに付き合ってくれてありがとう」と。「これからもよろしく」と伝えたいです。
それと、2歳になる孫娘が、新潟交通の高速バスを見ると「じぃじのバス」と指を差すそうなんですが、いつかそんな孫娘を乗せて、どこかに行けたらいいですね。そのためにも、今後も健康管理と感染対策をしっかりとして、安全・安心・快適をモットーに乗務し続けられたらと思います。
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